『女ひとり〜』後半の方が面白かった

9/6に3分の1読んだ感想を書いたのだが、今日読み終えた。
前半に感じた「肩書きじまん」は後半ではほとんど見られず楽しく読めた。


最後まで読んでプロフィールを確認し、著者がまだ世銀にいることを知って驚いた。
後半は実体験に基づき「いつ頃、どんな状況で、誰が」著者の足を引っ張ったかが詳しく書いてある。


南米のゴマすり好き上司におべっかを使わなかったから疎まれてクビにされそうになったり、「人間関係が悪い」と中傷されたり、米州開発銀行のポストを取ったらそこは本来財務省出身者が行くはずのポジションで、日本側から思い切り足を引っ張られたり。そのことがばれて「日本政府とのコネ、なし」と判断されて行内で干されたり。米州開発銀行から世銀に戻ろうとしたとき、当時、財務官だったミスター円・榊原に邪魔されたり。


国際機関については、政治的な思惑やごますりが横行してる、との批判をよく聞くが、誰も「いつどこで誰が誰に対して何をしたのか」具体的には話さない。当たり前だ。自分が組織で生き残れなくなってしまう。


それを現役の世銀職員(っていうのか。行員じゃあないだろう)でありながら、書いちゃう勇気。日本のメディア状況を知っていたら、辞めるまでは絶対書かないのに。なかなか貴重な本だった。